投稿者: 森下 健

  • エンディングノート進捗チェッカー(終活チェックリスト26項目)

    エンディングノート進捗チェッカー(終活チェックリスト26項目)

    エンディングノートに書いておきたい項目・終活でやっておきたい準備を26項目のチェックリストにしました。チェックすると準備度がパーセントで表示され、ブラウザに自動保存されるので、少しずつ進められます(サーバーには送信されません)。

    エンディングノート進捗チェッカー

    終活でやっておきたい26項目をチェック。
    あなたの「終活の準備度」がひと目でわかります。

    終活の準備度

    0%

    プライバシーについて: チェックの状態はお使いのブラウザにのみ保存され、サーバーには送信されません。次回このページを開いたときに自動で復元されます。共用のパソコンでは、使い終わったら下の「すべてリセット」を押してください。
    ご注意: 本チェックリストは、一般的な終活で整理・準備しておくとよい項目の目安です。すべての方に同じ項目が必要とは限りません。

    特に、遺言書の作成、財産の分け方の指定、相続に関する取り決めなど、法的な効力が必要な事項は、書き方や形式に厳格なルールがあります。弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に必ずご相談ください。
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    写真・連絡先・ネット口座・サブスク…デジタルなデータの終活は、もしものとき家族が一番困るポイントです。デジタル終活サービス「デジ・タクセル」なら、情報の整理から安全な引き継ぎまで無料で相談できます。

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    終活全体の進め方は「終活は何から始める?最初にやるべき5つのこと」を参照してください。お金まわりの整理には老後資金逆算シミュレーター相続税ざっくり計算機が役立ちます。

    このチェッカーの使い方

    • できていると思う項目にチェックを入れると、上部の「終活の準備度」がパーセントで表示されます。カテゴリごとの達成度もひと目でわかります。
    • チェックの状態はお使いのブラウザに自動保存され、次回このページを開くと復元されます。少しずつ進められるので、一度に全部そろえる必要はありません。
    • 共用のパソコンを使う場合は、終わったら「チェックをすべてリセット」を押してください。

    続けるコツ

    • まずは「基本情報」から。住所や保険証・年金・身分証の保管場所など、書きやすい項目から一つずつ埋めるのがおすすめです。
    • 完璧を目指さず、思い出したときに追記していく形で問題ありません。準備度が少し上がるだけでも前進です。
    • チェックした内容は、実際のエンディングノートやメモに書き残しておくと、いざというときに家族が困りません。

    よくある質問

    26項目すべてを埋めないといけませんか?

    いいえ。これは一般的に整理しておくとよい項目の目安です。すべての方に同じ項目が必要とは限らないため、自分に関係する項目から進めれば十分です。

    チェックした内容は他の人に見られますか?

    チェックの状態はお使いのブラウザにのみ保存され、サーバーには送信されません。ただし同じ端末を使う人には見えるため、共用機ではリセットをおすすめします。

    エンディングノートには法的な効力がありますか?

    エンディングノート自体に法的な効力はありません。遺言書の作成や相続の取り決めなど、法的な効力が必要な事項は書き方に厳格なルールがあるため、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。

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  • 墓じまい費用シミュレーター(撤去・離檀料・改葬先まで)

    墓じまい費用シミュレーター(撤去・離檀料・改葬先まで)

    墓じまい(お墓の撤去と遺骨の引っ越し)にかかる費用の目安を、墓地の広さ・檀家かどうか・改葬先の種類から計算できる無料ツールです。登録不要・入力データはサーバーに送信されません。

    墓じまい費用シミュレーター

    墓地の広さ・檀家かどうか・改葬先などを選ぶだけで、
    墓じまいにかかる費用の「相場の目安」を計算します。

    墓石の撤去・処分費は「1㎡あたり10〜15万円」が相場の目安と言われます。区画が広く墓石が大きいほど高くなります。

    お寺の檀家をやめる場合、「離檀料」というお布施が必要になることがあります。公営霊園などでは通常かかりません。

    取り出した遺骨をどこに移すかを選びます。改葬先によって費用の相場は大きく変わります。

    お墓に納められているご遺骨の数です。改葬許可証は原則1柱ごとに必要になります。

    墓じまい費用の目安(総額)

    費用の内訳目安(最低〜最高)
    墓石の撤去・処分費
    閉眼供養のお布施
    離檀料
    行政手続き(改葬許可証など)
    改葬先の費用
    合計(目安)
    ご注意: 本ツールが表示する金額は、いずれも一般に言われている「相場の目安」であり、費用を保証するものではありません。

    実際の費用は、石材店・寺院・霊園・地域や、墓石の大きさ・立地(重機が入れるか等)・お付き合いの深さによって大きく異なります。特に離檀料はお寺によって金額が大きく変わり、決まった相場や法的な支払い義務があるわけではありません。

    墓じまいを検討する際は、必ず石材店など複数社から見積もりを取り、菩提寺には早めに丁寧にご相談ください。

    あわせて読みたい

    終活全体の進め方は「終活は何から始める?最初にやるべき5つのこと」を、お墓や葬儀の希望の書き残しにはエンディングノート進捗チェッカーをご活用ください。

    このツールの使い方

    • 墓地の面積:区画の広さを選びます。墓石の撤去・処分費は「1㎡あたり10〜15万円」が相場の目安とされ、広いほど高くなります。
    • 檀家かどうか:お寺の檀家をやめる場合は「離檀料」がかかることがあります。公営・民営霊園では通常かかりません。
    • 改葬先:取り出した遺骨を移す先(永代供養墓・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養など)を選びます。改葬先によって費用は大きく変わります。
    • 移す遺骨の数:お墓に納められている遺骨の数です。改葬許可証は原則1柱ごとに必要です。

    費用の前提と注意点

    • 表示される金額は、一般的に言われている相場をもとにした「目安」です。地域・お寺・石材店・改葬先の運営者によって実際の費用は大きく変わります。
    • 離檀料には決まった相場や法的な支払い義務はありません。トラブルを避けるため、早めにお寺へ丁寧に相談することが大切です。
    • 実際の見積もりは、石材店や改葬先に現地確認のうえで出してもらうのが確実です。複数社を比較すると相場感がつかめます。

    結果の見方

    • 「総額」は最低〜最高の幅で表示されます。撤去費・閉眼供養のお布施・離檀料・行政手続き・改葬先の費用を合算した目安です。
    • 内訳ごとに幅があるため、条件によっては下限に近い場合も上限を超える場合もあります。予算は上限側で見ておくと安心です。

    よくある質問

    墓じまいの手続きはどんな流れ?

    一般には、親族への相談 → 改葬先の決定 → 現在の墓地・お寺への連絡 → 改葬許可証の取得 → 閉眼供養と墓石の撤去 → 新しい供養先への納骨、という流れで進みます。詳しくは下記の解説記事をご覧ください。

    離檀料は必ず払うもの?

    法的な支払い義務はありません。ただし、これまでの感謝を込めたお布施として渡すのが一般的です。高額を請求されて困った場合は、自治体の相談窓口や専門家に相談する方法もあります。

    改葬先はどう選べばいい?

    後継ぎの有無、参拝のしやすさ、費用、宗教・宗派の条件などで選びます。後継ぎがいない場合は、管理を任せられる永代供養墓や樹木葬・納骨堂が選ばれることが多いです。

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  • 終活は何から始める?最初にやるべき5つのこと

    終活は何から始める?最初にやるべき5つのこと

    「終活を始めたほうがいいのはわかっているけれど、何から手をつければいいのかわからない」——そんな声をよく耳にします。終活という言葉は広く知られるようになった一方で、実際にやるべきことは財産整理・エンディングノート・老後資金・医療や介護の希望・お墓や葬儀の準備など多岐にわたり、範囲が広すぎて最初の一歩を踏み出しにくいのも事実です。

    この記事では、これから終活を始めようと考えている方に向けて、最初に取り組んでおきたい5つのことを順番に紹介します。難しく考えず、できるところから少しずつ進めていくことが、終活を無理なく続けるコツです。

    そもそも終活とは何か

    終活とは、人生の終わりに向けて、自分の財産・気持ち・希望を整理し、残される家族が困らないように準備を進めていく活動全般を指す言葉です。もともとは葬儀やお墓の準備を指すことが多かった言葉ですが、近年では老後の生き方や医療・介護に対する希望を考えることも含めて、より広い意味で使われるようになっています。

    終活は「死ぬための準備」というよりも、「これからの人生をどう過ごしたいかを見つめ直すための準備」という側面が大きく、早めに取り組むほど気持ちにも余裕を持って進められると言われています。

    終活は何歳から始めるべきか

    終活を始める年齢に決まりはありませんが、一般的には仕事や子育てが一段落し、老後を具体的に意識し始める50代〜60代から取り組む方が多いとされています。定年退職や年金の受給開始が近づくこの時期は、財産やこれからの暮らしを見つめ直すきっかけをつかみやすいためです。

    もちろん、40代のうちから少しずつ情報を集めておくのも早すぎるということはありません。体力や判断力に余裕があるうちに始めておくほど、じっくり考えながら進められると言われています。特に年金は受け取り始める年齢によって受給額が変わるため、早めに年金は何歳からもらうと得かの考え方を確認しておくと、老後資金の計画も立てやすくなります。

    ステップ1:持ち物と財産の棚卸しをする

    最初に取り組みたいのが、持ち物と財産の棚卸しです。預貯金・不動産・株式や投資信託などの金融資産に加え、生命保険、負債(ローンなど)、貴金属や骨董品といった財産価値のあるものまで、一般的にはひととおりリストアップしておくと安心です。

    財産の棚卸しをしておくことで、相続が発生した際に家族が財産の全体像を把握しやすくなり、手続きの負担を軽減できると考えられています。また、財産総額のおおよその見通しが立つと、相続税がかかりそうかどうかの目安をつけやすくなります。

    相続税は遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額に対して課税される仕組みになっており、法定相続人の数によって基礎控除額が変わります。財産の棚卸しがある程度進んだら、相続税ざっくり計算機を使って、概算でどのくらいの相続税がかかりそうかを一度確認しておくと、今後の対策を考えるうえでの目安になります。

    もし相続税がかかりそうな場合は、元気なうちから少しずつ財産を移しておく生前贈与という選択肢もあります。まずは相続税がかかる人・かからない人の違いを確認したうえで、生前贈与シミュレーターで暦年贈与の非課税枠を使った場合の目安を試算してみると、対策の方向性をイメージしやすくなります。

    ステップ2:エンディングノートを書き始める

    財産の棚卸しと並行して取り組みたいのが、エンディングノートの作成です。エンディングノートには法的な効力はありませんが、自分の財産状況・医療や介護に関する希望・葬儀やお墓の希望・大切な人へのメッセージなどを自由に書き残しておくことができ、家族にとって「本人の意思がわかる手がかり」として役立つと言われています。

    とはいえ、いざ書き始めようとすると「何をどこまで書けばいいのかわからない」という壁にぶつかりがちです。そのようなときは、エンディングノート進捗チェッカーを使って、財産・医療や介護の希望・葬儀の希望・デジタル資産といった項目ごとに、自分がどこまで準備できているかを可視化してみるのがおすすめです。抜け漏れに気づきやすくなり、無理なく少しずつ書き進めていく助けになります。

    具体的にどの項目から書き始めればよいか迷う場合は、エンディングノートの書き方もあわせて参考にしてみてください。最初に書いておきたい項目や、途中で挫折しないためのコツを整理して紹介しています。

    ステップ3:老後資金の見通しを立てる

    終活を考えるうえで、多くの方が不安に感じるのが老後資金です。「今の貯蓄でこの先やっていけるのか」「年金だけで生活できるのか」といった不安は、漠然としたままだとかえって大きく感じられてしまうものです。

    そこでまず、現在の年齢・貯蓄額・年金の見込み額・希望するリタイア年齢などをもとに、老後資金がどのくらい過不足しそうかを一般的な目安として試算してみることをおすすめします。老後資金逆算シミュレーターを使えば、これらの情報を入力するだけで、老後資金の過不足感をざっくりと把握することができます。

    不足額が見えてきた場合は、資産運用や保険の見直し、就労継続の検討など、今のうちから対策を考えるきっかけになります。逆に見通しが立つと、それだけで気持ちが軽くなったという声も少なくありません。

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    ステップ4:医療・介護の希望を家族と話しておく

    終活というと財産やお金の話に目が向きがちですが、実際に家族が対応に困りやすいのが、医療や介護に関する本人の希望が分からないケースです。「延命治療を望むかどうか」「介護が必要になったとき自宅で過ごしたいか施設を希望するか」といった希望は、元気なうちに家族と話し合っておくことで、いざというときの家族の判断負担を大きく減らせると考えられています。

    こうした話は改まって切り出しにくいものですが、エンディングノートに医療・介護に関する希望欄を設けて記入しておくと、自然な形で家族と共有するきっかけになります。ステップ2で紹介したエンディングノート進捗チェッカーの医療・介護項目を活用しながら、少しずつ考えを整理し、機会を見つけて家族に伝えておくとよいでしょう。

    ステップ5:お墓・葬儀の方向性を考える

    最後に考えておきたいのが、お墓や葬儀に関する希望です。近年は家族葬や直葬といった小規模な葬儀を選ぶ方も増えており、また、先祖代々のお墓を維持することが難しくなり「墓じまい」を検討する家庭も増加傾向にあると言われています。

    お墓や葬儀については、希望する形式によって費用感が大きく変わってくるため、早い段階でおおまかな相場感をつかんでおくと、後々の判断がしやすくなります。すでにお墓があり、墓じまいや改葬を検討している場合は、墓じまい費用シミュレーターで、墓石撤去・離檀料・改葬先(永代供養・樹木葬・納骨堂など)ごとの費用の目安を確認しておくと、具体的な検討を進めやすくなります。

    これからお墓を用意する場合や、承継者がいない場合には、管理を寺院や霊園に任せられる永代供養という選択肢もあります。費用相場や樹木葬・納骨堂との違いを知っておくと選びやすくなります。また、葬儀の形式ごとの費用の目安は葬儀費用相場シミュレーターで、墓じまいを検討する場合の具体的な進め方は墓じまいの流れと費用相場で確認できます。

    葬儀やお墓についての希望も、エンディングノートに書き残しておくことで、家族が「本人はどうしたかったのか」に悩まずに済むようになります。

    終活で気をつけたいこと・注意点

    終活を進めるうえでは、いくつか気をつけておきたい点があります。まず、一度にすべてを完璧に仕上げようとしないことです。財産や希望は時間とともに変わっていくため、エンディングノートなども一度書いて終わりにせず、折に触れて見直していくことが大切だとされています。

    また、通帳や印鑑、保険証券などの保管場所や、エンディングノートの存在を家族が誰も知らないと、いざというときに役立てられないおそれがあります。すべてを詳しく伝える必要はありませんが、信頼できる家族には「どこに何があるか」の手がかりだけでも共有しておくと安心です。

    加えて、遺産分割や相続税など法律・税金が関わる判断は、思い込みで進めるとかえってトラブルの原因になりかねません。金額が大きい場合や家族関係が複雑な場合は、早めに税理士や弁護士などの専門家に相談することを検討しましょう。

    終活の準備を相談したいとき

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    写真・連絡先・ネット口座・サブスク…デジタルなデータの終活は、もしものとき家族が一番困るポイントです。デジタル終活サービス「デジ・タクセル」なら、情報の整理から安全な引き継ぎまで無料で相談できます。

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    ※本サービスは当サイトの提携先が提供します。相談は無料です。

    まとめ:できることから少しずつでよい

    終活は、一度にすべてを終わらせなければならないものではありません。今回紹介した5つのステップも、一般的には無理のない範囲で、関心のあるところ・不安の大きいところから少しずつ着手していくのがよいとされています。

    1. 持ち物と財産の棚卸しをする
    2. エンディングノートを書き始める
    3. 老後資金の見通しを立てる
    4. 医療・介護の希望を家族と話す
    5. お墓・葬儀の方向性を考える

    まずは気になるステップのツールを一つ試してみることから始めてみてください。数字や項目が可視化されるだけでも、漠然とした不安が具体的な「次にやること」に変わっていくはずです。

    よくある質問(FAQ)

    終活は何から始めればいいですか?

    まずは持ち物と財産の棚卸しから始めるのがおすすめです。財産の全体像が見えると、相続や老後資金など次に考えるべきことが整理しやすくなります。そのうえでエンディングノートに希望を書き残していくと、無理なく進めやすいとされています。

    終活は何歳から始めるべきですか?

    始める年齢に決まりはありませんが、老後を具体的に意識し始める50代〜60代から取り組む方が多いとされています。体力や判断力に余裕があるうちに始めておくほど、じっくり考えながら進めやすいと言われています。

    終活にはどのくらい費用がかかりますか?

    費用は選ぶ内容によって大きく変わります。エンディングノートの作成自体はほとんど費用がかかりませんが、お墓・葬儀・永代供養などは形式によって数万円から数百万円と幅があります。当サイトの各シミュレーターで、項目ごとのおおまかな目安を確認できます。

    エンディングノートに法的な効力はありますか?

    エンディングノートに法的な効力はありません。財産の分け方など法的に効力を持たせたい希望がある場合は、別途、遺言書を作成する必要があります。エンディングノートは、あくまで本人の意思や希望を家族に伝えるための手がかりとして役立つものです。

    最終更新日:2026年7月9日

    本ツール・記事は一般的な目安を提供するものであり、個別の税務・法律・資産運用上の助言ではありません。実際の手続き・判断にあたっては、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。当サイトの情報の正確性には配慮していますが、制度改正等により内容が最新でない場合があります。

  • 相続税がかかる人・かからない人の違いをチェック

    相続税がかかる人・かからない人の違いをチェック

    結論:相続税がかかるのは全体の1割弱程度といわれるが、条件次第で誰にでも可能性がある

    「相続税は一部のお金持ちだけの話」というイメージを持つ方も多いですが、実際に相続税の課税対象となる割合は、国税庁の統計によれば全国でおおむね1割弱程度(年度によって変動)にとどまるといわれています。つまり、多くの相続では相続税はかからないものの、不動産の評価額が高い都市部に住んでいる、相続人の数が少ない、生命保険の非課税枠を活用していないといった条件が重なると、平均よりも課税対象になりやすい傾向があるとされています。

    自分の家庭が課税対象になりそうかどうかの目安を知りたい方は、相続税ざっくり計算機に遺産総額や法定相続人数を入力すると、基礎控除後の課税対象額の概算をすぐに確認できます。

    この記事では、相続税がかかりやすいケース・かかりにくいケースの違いと、簡単な自己チェックリストを紹介します。

    相続税がかかる人はどのくらいいるのか

    課税割合はおおむね1割弱程度とされる

    国税庁が毎年公表している相続税の申告状況に関する統計では、亡くなった人の数(被相続人数)に対して、相続税の課税対象となった人の割合(課税割合)が示されています。近年の傾向としては、この課税割合はおおむね1割弱程度で推移しているとされていますが、正確な数値は年度や地域によって変動するため、最新の割合を確認したい場合は国税庁が公表する統計資料を直接参照することをおすすめします。

    平成27年の改正以降、課税割合は増加傾向にあるとされる

    平成27年(2015年)の税制改正で基礎控除額が引き下げられたことにより、それ以前と比べて相続税の課税対象となる件数・割合は増加傾向にあると国税庁も説明しています。「以前は関係なかったから今回も大丈夫」と判断せず、現行の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を前提に、あらためて自分のケースを確認しておくことが望ましいといえます。基礎控除の詳しい計算方法は、別記事「相続税の基礎控除とは?国税庁の計算方法をわかりやすく解説」でも解説しています。

    相続税はいくらからかかる?基礎控除額の早見表

    相続税がかかるかどうかの最初の分かれ目は、遺産総額が「基礎控除額」を超えるかどうかです。現行制度では、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、遺産総額(債務・葬式費用を差し引いた課税価格の合計)がこの金額以下であれば、原則として相続税はかからず申告も不要とされています。逆に基礎控除額を超えると、超えた部分が課税対象になります。

    法定相続人の数基礎控除額(相続税がかかり始める目安)
    1人3,600万円
    2人4,200万円
    3人4,800万円
    4人5,400万円
    5人6,000万円

    つまり「相続税はいくらからかかるのか」の目安は法定相続人の数によって変わり、上表の金額を超えそうかどうかが最初のチェックポイントになります。ただし生命保険金・死亡退職金の非課税枠や各種特例によって課税対象額は変動するため、実際の判定には遺産全体の評価が必要です。基礎控除の詳しい考え方は相続税の基礎控除とは?国税庁の計算方法をわかりやすく解説もあわせてご参照ください。

    相続税がかかりやすいとされる典型的なケース

    以下のような条件に当てはまる場合、平均的な水準よりも相続税の課税対象になりやすい傾向があるといわれています。ただし、実際に課税対象になるかどうかは遺産全体の評価額と法定相続人の数の組み合わせで決まるため、あくまで傾向としての紹介です。

    1. 不動産が都市部にある

    相続財産の評価額のうち、不動産(とくに土地)が占める割合は大きくなりやすいとされています。都市部や地価の高いエリアに自宅や収益不動産を所有している場合、路線価などをもとにした評価額が高くなりやすく、遺産総額を押し上げる要因になります。地方に比べて都市部での相続は、同じ広さの土地でも評価額が大きく異なる点に注意が必要です。

    2. 相続人の数が少ない

    基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、法定相続人の数が少ないほど基礎控除額も小さくなります。たとえば配偶者と子1人のみ(法定相続人2人)の場合と、配偶者と子3人(法定相続人4人)の場合とでは、基礎控除額に1,200万円の差が生じます。子どもがいない、または相続人が配偶者のみ・子1人のみといった家庭は、相対的に基礎控除額が小さくなりやすい点に留意が必要です。

    3. 生命保険の非課税枠を活用していない

    死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」という相続税の非課税枠が別途設けられています。この非課税枠を活用せず、現金や預貯金のまま遺産として残している場合、生命保険を活用しているケースに比べて課税対象額が大きくなりやすいとされています。生命保険を相続対策として活用するかどうかは、家庭の状況によって適否が異なるため、検討する場合は専門家に相談することが望ましいとされています。

    4. 退職金や死亡保険金などが多額にある

    死亡退職金についても、生命保険金と同様に「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が設けられていますが、この非課税枠を超える金額は相続財産として課税対象に含まれます。会社役員や退職金水準の高い企業に勤めていた場合など、退職金が多額になるケースでは、非課税枠を超える部分が遺産総額を押し上げる要因になり得ます。

    相続税がかかりにくいとされる典型的なケース

    一方で、以下のようなケースでは、相続税の課税対象にならない、あるいは課税対象額が小さくなりやすい傾向があるとされています。

    • 遺産の大部分が預貯金・現金で、かつ総額が基礎控除額を大きく下回っている
    • 法定相続人の数が比較的多く、基礎控除額が大きくなっている
    • 生命保険や死亡退職金の非課税枠を活用し、課税対象となる財産を圧縮できている
    • 自宅の土地について小規模宅地等の特例の適用条件を満たしており、評価額が大きく減額される見込みがある
    • 配偶者がすべて(または大部分)を相続し、配偶者の税額軽減の適用が見込める

    ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用した結果として税額がゼロになる場合は、相続税の申告自体は必要になる点に注意が必要です。「税額がゼロ=何もしなくてよい」ではない点は、見落としやすいポイントとしてあらためて意識しておくとよいでしょう。

    簡易チェックリスト:自分の家庭はどちらに近いか

    以下の項目に当てはまる数が多いほど、相続税が課税対象になりやすい傾向があるとされています。あくまで簡易的な目安であり、実際の判定には遺産全体の正確な評価が必要です。

    • 自宅や所有不動産が都市部・地価の高いエリアにある
    • 法定相続人の数が1〜2人程度と少ない
    • 死亡保険金・死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人数)を使い切っていない、または加入していない
    • 預貯金・有価証券・不動産などを合計した遺産総額が、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に近い、または上回りそうだと感じる
    • 小規模宅地等の特例など評価減の特例を使える見込みが立っていない

    当てはまる項目が多い場合は、遺産総額と法定相続人数を使って、相続税ざっくり計算機でおおまかな課税対象額を試算してみることをおすすめします。逆に当てはまる項目が少ない場合でも、不動産の評価額の見込み違いなどで想定より遺産総額が大きくなるケースもあるため、一度概算を確認しておくと安心につながりやすいといえます。

    自分の場合を計算機で確認してみる

    相続税がかかるかどうかは、遺産総額・法定相続人の数・特例の適用状況など複数の要素の組み合わせで決まるため、統計上の課税割合(1割弱程度)だけを見て「自分は大丈夫」「自分は危ない」と判断するのは早計です。まずは相続税ざっくり計算機で、ご自身の遺産総額と法定相続人数を入力し、基礎控除後の課税対象額の目安を確認してみましょう。あわせて「相続税の基礎控除とは?国税庁の計算方法をわかりやすく解説」もご参照いただくと、基礎控除や法定相続人の数え方についてより理解が深まります。

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    相続税がかかる財産・かからない財産

    相続税は、亡くなった人が残したすべての財産に一律にかかるわけではありません。課税対象になる財産と、非課税とされる財産をあらかじめ把握しておくと、遺産総額の見積もりがしやすくなります。

    課税対象になる主な財産

    • 現金・預貯金
    • 土地・建物などの不動産
    • 株式・投資信託などの有価証券
    • 死亡保険金のうち非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超える部分
    • 死亡退職金のうち非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超える部分
    • 自動車・貴金属・書画骨董などの動産

    相続税がかからない主な財産(非課税財産)

    • 死亡保険金・死亡退職金のうち、非課税枠(それぞれ500万円×法定相続人の数)の範囲内の部分
    • 墓地・墓石・仏壇・仏具など日常礼拝に用いるもの
    • 国や地方公共団体、一定の公益法人などへ寄付した財産(一定の要件あり)

    なお、生前に贈与を受けていた財産のうち一定期間内のものは、相続財産に加算して課税対象となる場合があります。どこまでが課税対象になるかの判断は複雑なため、詳細は税理士・税務署に確認することをおすすめします。

    相続税がかかりそうな場合の対策の方向性

    基礎控除額を超えそうな場合でも、一般的には次のような方向性で課税対象額を抑える工夫が検討されます。ただし、いずれも家庭の状況によって適否や効果が異なるため、実行前に専門家へ相談することが望ましいとされています。

    • 生前贈与の活用:暦年贈与の非課税枠(基礎控除110万円)などを使い、計画的に財産を移していく方法があります。
    • 生命保険の非課税枠の活用:死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の範囲で、現預金を保険に組み替える方法が検討されます。
    • 小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減:適用要件を満たすことで、評価額や税額が大きく軽減される場合があります。

    このうち生前贈与については、暦年贈与でどの程度の非課税枠を使えるか、贈与税がいくらかかるかを生前贈与シミュレーター(暦年贈与の非課税枠・贈与税を計算)で試算できます。相続税と贈与税のバランスを見ながら、無理のない範囲で検討していくとよいでしょう。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 相続税は遺産がいくらからかかりますか?

    A. 現行制度では、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合に、超えた部分が課税対象になります。たとえば法定相続人が2人なら4,200万円、3人なら4,800万円が目安です。これ以下であれば原則として相続税はかからず、申告も不要とされています。

    Q. 相続税がかからない場合でも申告は必要ですか?

    A. 遺産総額が基礎控除額以下であれば、原則として申告は不要です。ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用した結果として税額がゼロになる場合は、特例の適用を受けるために相続税の申告が必要になります。「税額ゼロ=申告不要」ではない点に注意が必要です。

    Q. 生命保険金にも相続税はかかりますか?

    A. 死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が設けられており、その範囲内であれば相続税はかかりません。非課税枠を超えた部分は相続財産として課税対象に含まれます。死亡退職金にも同様の非課税枠があります。

    Q. 相続税がかかるかどうかを自分で確認する方法はありますか?

    A. まずは遺産総額と法定相続人の数を把握し、基礎控除額と比べてみるのが基本です。相続税ざっくり計算機に遺産総額と法定相続人数を入力すると、基礎控除後の課税対象額の概算をすぐに確認できます。判断に迷う場合は税理士・税務署に相談することをおすすめします。

    まとめ

    • 国税庁の統計では、相続税の課税割合はおおむね1割弱程度とされるが、年度・地域により変動する
    • 平成27年の税制改正以降、基礎控除額の引き下げにより課税割合は増加傾向にあるとされる
    • 都市部の不動産保有、相続人が少ない、生命保険の非課税枠未活用などは課税対象になりやすい傾向とされる
    • 特例の適用で税額がゼロでも申告が必要になる場合がある点に注意
    • 自分のケースの目安は計算機で確認し、判断に迷う場合は税理士等の専門家に相談することが望ましい

    出典

    • 国税庁「相続税の申告事績の概要」等の統計資料
    • 国税庁「相続税の計算」「相続税がかかる場合」関連ページ
    • 国税庁「相続税の非課税財産(生命保険金・死亡退職金)」関連ページ
    • 国税庁「小規模宅地等の特例」「配偶者の税額軽減」関連ページ

    最終更新日: 2026年7月9日

    本ツール・記事は一般的な目安を提供するものであり、個別の税務・法律・資産運用上の助言ではありません。実際の手続き・判断にあたっては、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。当サイトの情報の正確性には配慮していますが、制度改正等により内容が最新でない場合があります。

  • 相続税の基礎控除とは?国税庁の計算方法をわかりやすく解説

    相続税の基礎控除とは?国税庁の計算方法をわかりやすく解説

    結論:基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

    相続税には「基礎控除」という非課税の枠があり、遺産の総額がこの基礎控除の範囲内に収まっていれば、原則として相続税はかかりません。国税庁の案内によると、基礎控除額は次の式で計算されます。

    基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

    この式は平成27年(2015年)の税制改正以降のもので、それ以前と比べて控除額の水準が引き下げられたため、以前より相続税の対象になりやすくなったといわれています。自分のケースで基礎控除額がいくらになるか、また遺産総額との差でどの程度の課税対象額になりそうかをざっくり試したい方は、相続税ざっくり計算機から遺産総額と法定相続人数を入力するだけで概算を確認できます。

    以下では、基礎控除の計算方法と「法定相続人の数」の数え方、具体的な計算例、そして基礎控除以下でも注意が必要なケースについて、国税庁の情報をもとに整理します。

    基礎控除の計算式とその意味

    なぜ基礎控除という仕組みがあるのか

    相続税は、亡くなった方(被相続人)の遺産を相続人が受け継いだ際に、その財産価値に応じて課される税金です。ただし、遺産のすべてに課税してしまうと、一般的な家庭の相続でも税負担が重くなりすぎるおそれがあるため、一定額までは非課税とする「基礎控除」が設けられています。基礎控除の範囲内であれば、原則として相続税は発生しないという整理です。

    平成27年の改正で控除額が引き下げられた

    基礎控除額の計算式は、平成26年12月31日以前に発生した相続と、平成27年1月1日以降に発生した相続とで異なります。

    • 平成26年12月31日以前:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
    • 平成27年1月1日以降:3,000万円+600万円×法定相続人の数

    このように、現行の基礎控除額は改正前のおよそ6割の水準に引き下げられています。国税庁もこの改正を境に、相続税の課税対象となる件数が増加傾向にあると説明しており、以前は「うちは関係ない」と思っていた家庭でも、現行制度では課税対象になり得る点に注意が必要です。

    「法定相続人の数」の数え方

    基礎控除額の計算で重要になるのが「法定相続人の数」です。これは実際に遺産を相続する人の数ではなく、民法上の相続人の範囲とその順位に基づいて数える点に注意が必要です。

    配偶者は常に相続人になる

    被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に法定相続人となります。そのうえで、以下の順位に従って他の法定相続人が決まります。

    第1順位:子(直系卑属)

    被相続人に子がいる場合、子が配偶者とともに法定相続人になります。子がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人から見て孫)が代わりに相続人となる「代襲相続」という考え方があります。

    第2順位:親(直系尊属)

    子がいない場合は、被相続人の親(父母)が法定相続人になります。親がすでに亡くなっている場合は、祖父母が対象になることもあります。

    第3順位:兄弟姉妹

    子も親(直系尊属)もいない場合に限り、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代襲相続人となるケースがありますが、代襲は一代限りとされている点が子の代襲相続とは異なります。

    養子の数には制限がある

    法定相続人の数を計算する際、養子がいる場合は次のような制限が設けられています。

    • 被相続人に実子がいる場合:法定相続人の数に含める養子は1人まで
    • 被相続人に実子がいない場合:法定相続人の数に含める養子は2人まで

    これは、養子を多く迎えることで基礎控除額を意図的に増やす対策を防ぐための制限とされています。実際の相続関係が複雑な場合(養子縁組がある、代襲相続が発生している等)は、法定相続人の数の判定を誤りやすいため、税理士など専門家に確認することが望ましいとされています。

    相続放棄があっても「法定相続人の数」には含める

    相続人の中に相続放棄をした人がいる場合でも、基礎控除額を計算するときの「法定相続人の数」には、その放棄がなかったものとして人数を数えます。現行制度では、放棄した人も頭数に含めたうえで「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を計算するため、相続放棄によって基礎控除額そのものが減ることはないとされています。ただし、実際に誰がどれだけ相続するか(遺産分割)とは別の話であり、放棄がある場合の相続関係は複雑になりやすいため、判断に迷うときは税理士や税務署に確認すると安心です。

    計算例で確認する基礎控除額

    計算例1:配偶者+子2人のケース

    配偶者と子2人が法定相続人の場合、法定相続人の数は3人です。

    基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

    このケースでは、遺産総額が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかからない計算になります。

    計算例2:配偶者のみ、子なし、被相続人の親が健在のケース

    被相続人に子がおらず、配偶者と被相続人の親(1人が健在)が法定相続人になる場合、法定相続人の数は2人です。

    基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円

    このように、法定相続人の数が1人違うだけでも基礎控除額は600万円変動するため、自分のケースでの法定相続人の数を正確に把握することが、相続税の見込みを考えるうえでの第一歩になります。実際の遺産総額と照らし合わせて課税対象額の目安を知りたい場合は、相続税ざっくり計算機に遺産総額と法定相続人数を入力してみると、おおまかなイメージがつかみやすくなります。

    法定相続人の数別・基礎控除額の早見表

    「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に当てはめると、法定相続人の数ごとの基礎控除額は次のようになります。遺産総額がこの金額以下であれば、原則として相続税はかからず申告も不要とされています(特例を使う場合を除く)。

    法定相続人の数基礎控除額
    1人3,600万円
    2人4,200万円
    3人4,800万円
    4人5,400万円
    5人6,000万円
    6人6,600万円
    基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)で計算

    たとえば法定相続人が3人であれば基礎控除額は4,800万円で、遺産総額が4,800万円以下なら相続税は原則かかりません。反対に、遺産総額が基礎控除額を超えた場合は、超えた部分をもとに各人の取得額に応じた税率で相続税額を計算し、原則として申告・納税が必要になります。自分の遺産総額が基礎控除額を上回りそうかどうかは、相続税ざっくり計算機で概算を確認できます。相続税がかかる人・かからない人の線引きについては相続税がかかる人の基準もあわせてご覧ください。

    基礎控除以下なら申告不要が原則、ただし例外に注意

    原則:基礎控除以下なら相続税の申告は不要

    遺産総額が基礎控除額以下であれば、相続税は発生せず、税務署への申告も原則として不要とされています。多くの一般的な相続では、この基礎控除の範囲内に収まるケースも少なくないといわれています。

    例外:特例を使う場合は申告が必要になることがある

    ただし、次のような特例の適用を受けることで初めて基礎控除以下(または非課税)になる場合は、たとえ結果として納税額がゼロであっても、相続税の申告が必要になる点に注意が必要です。

    • 小規模宅地等の特例:自宅の土地などについて評価額を大きく減額できる特例で、この特例を適用した結果として基礎控除以下になる場合は申告が必要とされています
    • 配偶者の税額軽減(配偶者控除):配偶者が相続した財産について税額が軽減される制度で、これを適用して納税額がゼロになる場合も申告が必要とされています

    つまり、「特例を使わなければ課税対象だが、特例を使うことで税額がゼロになる」というケースでは、申告書の提出そのものが特例適用の条件になっていることが多く、申告をしなければ特例の効果を受けられない可能性があります。遺産に自宅の土地が含まれている場合や配偶者が相続する場合は、単純に基礎控除額と遺産総額を比較するだけでなく、申告の要否について税理士に確認しておくと安心につながりやすいといえます。

    自分のケースの目安を計算してみる

    基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」というシンプルな式で計算できますが、実際には法定相続人の数え方や特例の適用有無によって、申告の要否や税額の見込みが変わってきます。まずはご自身の遺産総額と法定相続人数を使って、おおまかな課税対象額の目安を把握することから始めてみるとよいでしょう。

    相続税ざっくり計算機では、遺産総額と法定相続人の数を入力するだけで、基礎控除後の課税対象額や税額の概算を国税庁の速算表に基づいて試算できます。あわせて次の記事「相続税がかかる人・かからない人の違いをチェック」もご参照ください。

    生前贈与と基礎控除の関係

    遺産総額が基礎控除額を超えそうな場合、生前のうちに財産を少しずつ贈与して将来の相続財産を圧縮し、相続税の負担を抑えることを検討する方もいます。贈与には年間110万円の基礎控除(暦年課税)がありますが、現行制度では相続開始前の一定期間内(改正により順次3年から7年へ延長)に受けた贈与は相続財産に加算されるなど、相続税と贈与税は密接に関係しています。

    そのため、生前贈与を相続対策として考える場合は、贈与税と相続税を通算した視点で検討することが大切です。どの程度の贈与でどれくらいの効果が見込めるかをおおまかに試したい方は、生前贈与シミュレーターで目安を確認してみるとよいでしょう。実際の対策にあたっては、加算期間や特例の適用条件が個別の事情で変わるため、税理士や税務署に確認することをおすすめします。

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 相続税は遺産がいくらからかかりますか?

    遺産総額が基礎控除額を超えた場合に相続税がかかるのが原則です。基礎控除額は法定相続人の数で変わり、最も少ない1人のケースでも3,600万円のため、遺産総額がこれを下回る場合は原則として相続税はかかりません。

    Q2. 法定相続人が1人のときの基礎控除額はいくらですか?

    3,000万円+600万円×1人=3,600万円です。人数が1人増えるごとに600万円ずつ加算されます。

    Q3. 相続放棄をすると基礎控除額は減りますか?

    現行制度では減りません。基礎控除の計算上の「法定相続人の数」には、相続放棄をした人も放棄がなかったものとして含めて数えます。

    Q4. 基礎控除以下なら相続税の申告は不要ですか?

    原則として申告は不要です。ただし小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用して税額がゼロになる場合は、申告書の提出が特例適用の条件となるため申告が必要です。判断に迷う場合は税理士や税務署に確認してください。

    まとめ

    • 基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」(平成27年1月1日以降の相続に適用)
    • 法定相続人は配偶者(常に相続人)と、子→親→兄弟姉妹の順位で決まる
    • 養子は法定相続人の数に含められる人数に制限がある(実子の有無で1人または2人まで)
    • 遺産総額が基礎控除以下であれば原則申告不要だが、小規模宅地等の特例や配偶者控除を使う場合は申告が必要になることがある
    • 自分のケースの目安は計算機で確認し、申告の要否は税理士など専門家にも相談することが望ましい

    出典

    • 国税庁「相続税の計算」「相続税がかかる場合」関連ページ
    • 国税庁「相続税の申告が必要な方」
    • 国税庁「小規模宅地等の特例」「配偶者の税額軽減」関連ページ

    最終更新日: 2026年7月9日

    本ツール・記事は一般的な目安を提供するものであり、個別の税務・法律・資産運用上の助言ではありません。実際の手続き・判断にあたっては、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。当サイトの情報の正確性には配慮していますが、制度改正等により内容が最新でない場合があります。

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    • 実際の税額は財産の評価方法や各種控除・特例で大きく変わります。あくまで目安としてご利用ください。

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    • 特例を使って税額が0円になる場合でも、申告が必要になることがあります。判断に迷う場合は専門家にご確認ください。

    よくある質問

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    配偶者には「配偶者の税額軽減」があり、取得額が1億6,000万円か法定相続分までであれば税額が軽減されますが、適用には申告が必要です。本ツールの概算には反映されていません。

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    死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。目安を入力する際は、非課税枠を超える部分を財産に加えて考えると実態に近づきます。

    相続税の申告期限はいつまで?

    現行制度では、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内が申告・納税の期限とされています。

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    入力する7つの項目とその調べ方

    1. 現在年齢

    現在の満年齢を入力します。今の年齢から退職年齢までの期間が、積立を続けられる期間の計算に使われます。

    2. 退職年齢

    仕事を辞めて年金中心の生活に入る予定の年齢です。60歳・65歳・70歳など、勤務先の制度や自分の希望に応じて設定します。再雇用制度を利用してもう少し働く予定がある場合は、実際に収入が大きく減る見込みの年齢を入れると、より実態に近い試算になります。

    3. 想定寿命

    老後の資金がどのくらいの期間必要になるかを見積もるための項目です。厚生労働省が公表している「簡易生命表」では、平均寿命や、ある年齢まで生きた人のその後の平均余命が確認できます。平均値より長生きするケースも当然あり得るため、一般的には平均よりやや長め(例えば90歳前後)に設定しておくと、資金不足のリスクに備えやすいといわれています。

    4. 月間生活費

    老後に想定する1か月あたりの生活費です。現在の家計簿や家計調査のデータを参考にしてもよいですが、退職後は現役時代と支出の内訳が変わることが多いため(通勤費や仕事関連の支出が減る一方、医療費や趣味・旅行費が増えるなど)、できるだけ自分の暮らし方に近い金額を入れることが望ましいとされています。総務省の家計調査で公表されている高齢者世帯の平均支出額も、金額感をつかむ参考になります。

    5. 年金月額

    老後に受け取れる見込みの年金額(月額換算)です。日本年金機構から毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に基づく年金見込額が記載されています。より詳しく将来の見込額を確認したい場合は、日本年金機構のオンラインサービス「ねんきんネット」で試算することもできます。夫婦で試算する場合は、2人分の年金見込額を合算して入力します。

    なお、年金は受け取りを始める年齢によって毎月の受給額が変わります。65歳より遅らせる「繰下げ受給」では受給額が増え、早める「繰上げ受給」では減るため、いつから受け取るかで年金月額の目安も変わってきます。受給開始年齢の考え方は年金は何歳からもらうと得?繰上げ・繰下げの仕組みと考え方、何歳から受け取ると得かの損益分岐は年金損益分岐シミュレーターで確認できます。

    6. 貯蓄

    現時点で老後資金として見込める預貯金・金融資産の金額です。生活防衛資金など、老後資金として取り崩す予定のない部分は含めずに考えるのが一般的です。

    7. 退職金

    勤務先から支給される見込みの退職金額です。勤務先の退職金規程や、これまでの支給実績などから概算します。転職を予定している場合や、退職金制度がない・自営業の場合は0円として計算しても問題ありません。

    計算式の開示

    このシミュレーターでは、以下のシンプルな計算式を使って概算を行っています。

    必要総額の計算

    必要総額 = 月間生活費 × 老後月数
    老後月数 = (想定寿命 − 退職年齢) × 12か月

    退職してから想定寿命までの月数に、月間生活費を掛け合わせることで、老後全体で必要になる生活費の総額を概算します。

    不足額の計算

    不足額 = 必要総額 − 年金総額 − 資産
    年金総額 = 年金月額 × 老後月数
    資産 = 貯蓄 + 退職金

    必要総額から、老後の期間中に受け取れる年金の総額と、現時点の貯蓄・退職金を差し引くことで、自分で追加に用意しておく必要がある金額(不足額)の目安を計算します。この値がマイナスになる場合は、現状の貯蓄・年金見込みで生活費をまかなえる可能性が高いことを示します。

    毎月の積立目安の計算

    毎月積立額 = 不足額 ÷ 退職までの月数
    退職までの月数 = (退職年齢 − 現在年齢) × 12か月

    不足額を、退職までに積み立てられる残り期間(月数)で割ることで、今から毎月いくら積み立てれば目安の不足額をカバーできそうかを概算します。

    計算例

    以下は、あくまで説明のための一例です。

    • 現在年齢:45歳
    • 退職年齢:65歳
    • 想定寿命:90歳
    • 月間生活費:25万円
    • 年金月額:18万円
    • 貯蓄:500万円
    • 退職金:800万円

    老後月数:(90−65)×12=300か月
    必要総額:25万円×300か月=7,500万円
    年金総額:18万円×300か月=5,400万円
    資産:500万円+800万円=1,300万円
    不足額:7,500万円−5,400万円−1,300万円=800万円
    退職までの月数:(65−45)×12=240か月
    毎月積立額:800万円÷240か月=約3.3万円

    この例では、月あたり約3万円台の積立を退職まで続けられれば、想定した生活費・年金・資産の範囲内で老後の資金をまかなえる目安になる、という計算結果になります。

    結果の読み方と注意点

    あくまで単純化した概算であること

    この計算式は、生活費・年金額・資産の運用益や物価上昇(インフレ)などを一定と仮定した、シンプルな算数モデルです。実際には、年金額は制度改正で変わる可能性がありますし、生活費もインフレの影響を受けます。また、貯蓄を単純に据え置くのではなく運用する場合は、運用成果によって不足額の見え方も変わってきます。目安として捉え、定期的に入力し直して見直すことが一般的にはおすすめです。

    想定寿命は幅を持たせて考える

    想定寿命は厚生労働省の簡易生命表などを参考にしつつ、平均より長生きする可能性も踏まえてやや長めに設定しておくと、資金不足のリスクに備えやすくなります。想定寿命を変えて複数パターンで試算してみるのも一つの方法です。

    不足額がマイナスでも油断は禁物

    不足額がマイナス(現状でまかなえる計算)になった場合でも、医療費・介護費の急な増加や、退職金・年金制度の変更など、想定外の要因で状況が変わる可能性があります。定期的に前提条件を見直しながら、余裕を持った資金計画を心がけることが望ましいとされています。

    個別の状況に応じた判断は専門家に相談を

    このシミュレーターはあくまで一般的な目安を示すものであり、税制優遇制度(NISA・iDeCoなど)の活用方法や、資産運用の具体的な方針、保険の見直しなど、個別最適化が必要な判断については、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談することが一般的にはすすめられます。

    なぜ老後資金の目安を把握しておくことが大切かについては、別記事「老後資金はいくら必要?厚労省・金融庁データで見る目安」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

    計算後にやるべきこと

    シミュレーターで不足額と毎月の積立目安がわかったら、結果を「見て終わり」にせず、次の行動につなげることが大切です。以下は一般的に取り組みやすいステップの例です。

    1. 前提を複数パターンで試算する:想定寿命・生活費・退職年齢を変えて何通りか計算し、結果の振れ幅を把握します。
    2. 年金見込額を正確に確認する:「ねんきん定期便」「ねんきんネット」で最新の見込額を確認し、受給開始年齢の選択肢もあわせて検討します。
    3. 毎月の積立方法を具体化する:目安の積立額をどの口座・制度(NISA・iDeCoなどの税制優遇制度を含む)で準備するかを検討します。具体的な運用方針は専門家に相談すると安心です。
    4. 定期的に見直す:収入・支出・制度は変わるため、年に1回程度は前提条件を更新して再計算します。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 老後資金はいくらあれば安心ですか?

    A. 必要額は生活費・年金額・想定寿命によって大きく変わるため、一律の正解はありません。本シミュレーターのように自分の前提で概算するのが、目安を知る近道です。世帯ごとの平均的な目安は老後資金はいくら必要?厚労省・金融庁データで見る目安で解説しています。

    Q. 年金月額はどうやって調べればよいですか?

    A. 毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」で、加入実績に基づく見込額を確認できます。受け取り始める年齢によって金額が変わる点にも注意しましょう。

    Q. 計算結果にインフレや運用益は反映されていますか?

    A. 反映されていません。本ツールは生活費・年金額・資産を一定と仮定した単純な算数モデルのため、物価上昇(インフレ)や資産運用による増減は考慮していません。結果はあくまで大まかな目安として捉えてください。

    Q. 不足額がマイナスなら貯蓄しなくてもよいですか?

    A. マイナス(現状でまかなえる計算)でも、医療・介護費の増加や年金・退職金制度の変更などで状況は変わり得ます。余裕を持った計画を保ち、定期的に前提を見直すことが望ましいとされています。

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    まとめ

    • 入力項目は「現在年齢・退職年齢・想定寿命・月間生活費・年金月額・貯蓄・退職金」の7つ
    • 年金見込額は日本年金機構の「ねんきん定期便」「ねんきんネット」で確認できる
    • 計算式は「必要総額=生活費×老後月数」「不足額=必要総額−年金総額−資産」「毎月積立=不足額÷退職までの月数」というシンプルな算数モデル
    • 結果はあくまで一般的な目安であり、インフレ・制度改正・運用成果などは反映されていない
    • 個別の資産運用・税制優遇の活用方針は専門家への相談が望ましい

    出典

    • 日本年金機構「ねんきん定期便」「ねんきんネット」
    • 厚生労働省「簡易生命表」
    • 総務省「家計調査(家計収支編)」

    最終更新日: 2026年7月9日

    本ツール・記事は一般的な目安を提供するものであり、個別の税務・法律・資産運用上の助言ではありません。実際の手続き・判断にあたっては、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。当サイトの情報の正確性には配慮していますが、制度改正等により内容が最新でない場合があります。

  • 老後資金はいくら必要?厚労省・金融庁データで見る目安

    老後資金はいくら必要?厚労省・金融庁データで見る目安

    結論:目安は「毎月の不足額×老後の期間」で決まる

    老後資金がいくら必要かは、世帯構成や生活水準によって大きく異なりますが、一般的には「毎月の生活費と年金収入の差額」に「老後の想定期間」を掛け合わせることで、おおまかな目安を計算できます。よく話題になる「老後2,000万円問題」は、あくまである時点・ある世帯モデルでの試算であり、すべての人に当てはまる金額ではありません。

    自分の場合の目安を知りたい方は、年齢・生活費・年金見込額などを入力するだけで概算できる老後資金逆算シミュレーターをあわせて利用すると、より具体的なイメージがつかみやすくなります。

    以下では、総務省の家計調査や金融庁の報告書などの公的データをもとに、老後資金の考え方を整理します。

    総務省「家計調査」に見る高齢者世帯の平均支出

    総務省の家計調査(家計収支編)では、高齢無職世帯(65歳以上)の1か月あたりの平均支出が公表されています。年度によって変動はありますが、単身世帯でおおむね月15万円前後、夫婦のみの世帯でおおむね月25万円前後というのが近年の目安として紹介されることが多い水準です。

    一方で、同調査では年金などの社会保障給付を中心とした実収入も示されており、多くの高齢者世帯で「収入だけでは支出をまかないきれず、貯蓄の取り崩しで補っている」傾向が確認できます。この収入と支出の差額こそが、老後資金として準備しておく必要がある部分の目安になります。

    単身世帯の場合の考え方

    単身世帯は住居費や食費などの固定費が夫婦世帯に比べて小さくなる一方、一人分の年金収入しかないため、収入に対する支出の割合が相対的に高くなりやすいとされています。持ち家か賃貸かによっても住居費の負担が大きく変わるため、目安の金額はあくまで参考程度に捉えることが大切です。

    夫婦世帯の場合の考え方

    夫婦世帯は生活費全体は単身世帯より大きくなりますが、年金も夫婦2人分(厚生年金+国民年金など組み合わせはさまざま)受け取れるケースが多く、収入面でカバーできる部分も大きくなります。ただし、片方が先に亡くなった後は年金収入が減る一方で住居費などの固定費はあまり変わらないため、長期的な視点でシミュレーションしておくことが望ましいとされています。

    「老後2,000万円問題」とは何だったのか

    2019年に金融庁の金融審議会・市場ワーキング・グループが公表した報告書をきっかけに、「老後資金2,000万円問題」として大きな話題になりました。この報告書では、高齢夫婦無職世帯のモデルケースにおいて、月々の実収入が支出を一定額下回るという試算結果をもとに、その差額が仮に20〜30年続いた場合の総額として「約2,000万円」という数字が示されました。

    正しい読み方・注意点

    この2,000万円という数字は、あくまで報告書作成時点における特定の世帯モデル(夫婦高齢者無職世帯など)を前提とした試算であり、以下のような点に注意が必要です。

    • 前提となる毎月の収支差は、年度や調査結果によって変動する
    • 単身世帯や、年金以外に就労収入がある世帯には当てはまらない
    • 住居費(持ち家か賃貸か、ローンの有無)や医療・介護費の個人差が反映されていない
    • 退職金の有無や金額、保有資産の状況も人によって大きく異なる

    つまり「誰もが老後に2,000万円を用意すべき」という意味ではなく、「収入と支出の差を放置すると、老後の期間全体でこれくらいの不足が生じ得る」という考え方の一例として捉えるのが一般的とされています。実際に自分の場合はいくら必要になりそうか知りたい場合は、老後資金逆算シミュレーターで現在の年齢や貯蓄額、年金見込額を入力して確認してみることをおすすめします。

    厚生労働省「簡易生命表」から見る老後の期間

    必要な老後資金を考えるうえでもう一つ重要なのが「老後がどのくらいの期間続くか」という視点です。厚生労働省が公表している簡易生命表では、日本人の平均寿命や、ある年齢まで生きた人がその後何年生きる見込みがあるかを示す平均余命が公表されています。

    近年の統計では、平均寿命は男性が80歳台前半、女性が80歳台後半程度とされており、65歳やそれ以上の年齢まで生きた人の平均余命はさらに長くなる傾向があります。つまり、定年退職の年齢(60〜65歳前後)から考えると、老後の期間は20年〜30年程度に及ぶ可能性があるという前提で資金計画を立てておくと安心につながりやすいといえます。

    平均余命はあくまで統計上の平均値であり、実際の寿命には個人差があります。「長生きするほど必要な資金は増える」という前提に立ち、余裕を持った期間で試算しておくことが一般的には望ましいとされています。

    必要な老後資金が人によって大きく変わる要因

    老後資金の必要額は、以下のような要因によって大きく変動します。目安の金額だけを見るのではなく、自分自身の状況に当てはめて考えることが大切です。

    1. 年金の受給見込額

    厚生年金と国民年金では受給額の水準が大きく異なり、加入期間や納付状況によっても金額は変わります。自分の年金見込額は、日本年金機構が発行する「ねんきん定期便」や、オンラインサービスの「ねんきんネット」で確認できます。受け取りを始める年齢によっても年金額は変わるため、年金は何歳からもらうと得かという視点や、繰上げ・繰下げの損益分岐を試算できる年金損益分岐シミュレーターもあわせて確認しておくと、収入面の見通しが立てやすくなります。

    2. 生活水準・住居費

    賃貸か持ち家か、住宅ローンが残っているかどうかで、老後の固定費は大きく変わります。旅行や趣味にお金をかけたいか、節約志向で暮らすかといった生活水準の違いも、必要額に直結します。

    3. 退職金・保有資産

    退職金の有無や金額、現在の貯蓄額、保有している金融資産の状況によって、不足額は大きく変わります。退職金がまとまって入る予定がある場合は、その分を計画に組み込んで考える必要があります。

    4. 医療費・介護費

    年齢を重ねるにつれて医療費や介護費の負担が増える可能性があります。公的医療保険・介護保険制度である程度カバーされるとはいえ、自己負担分や保険適用外のサービス利用などを見込んでおくと、より現実的な計画になります。

    5. 就労継続の有無

    定年後も再雇用やパート・アルバイトなどで収入を得る場合、必要な貯蓄の取り崩し額は少なくなります。何歳まで、どの程度の収入を見込めそうかも、老後資金の計画に影響する重要な要素です。

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    老後資金の不足に備える基本的な考え方

    試算の結果、老後資金に不足が見込まれる場合でも、備え方は一つではありません。大きく分けると「収入を増やす」「支出を見直す」「資産を計画的に準備する」という三つの方向があります。ここでは一般的な考え方を整理します。特定の金融商品を推奨するものではなく、実際の判断は自身の状況に合わせて、必要に応じて専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

    収入を増やす・受給を工夫する

    定年後も再雇用やパート・アルバイトなどで働き続けると、貯蓄の取り崩しペースをゆるやかにできます。また、年金の受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選ぶと1か月あたりの年金額が増える仕組みもあり、何歳から受け取るのが自分に合うかは年金は何歳からもらうと得かを解説した記事で整理しています。

    支出を見直す(住居費・固定費)

    老後の支出のなかでも、住居費や保険料などの固定費は影響が大きい項目です。賃貸か持ち家か、住宅ローンが残っているかによって毎月の負担は変わります。持ち家の場合もリフォームや固定資産税などの維持費がかかる点、賃貸の場合は家賃を払い続ける必要がある点を、それぞれ織り込んで考えると現実的な見通しになります。

    資産を計画的に準備する

    不足が見込まれる場合は、できるだけ早い時期から計画的に準備を始めるほど、毎月の負担を抑えやすくなります。国の制度としては、税制上の優遇を受けながら老後資金づくりに使えるiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAなどが用意されています。こうした制度には利用できる金額や引き出しの条件などの決まりがあるため、内容を理解したうえで、自分の家計に無理のない範囲で活用を検討するとよいでしょう。

    自分の場合の目安を計算してみる

    ここまで見てきたように、老後資金の必要額は「生活費の水準」「年金見込額」「保有資産」「老後の期間」など、複数の要素の組み合わせで決まります。全国平均のデータはあくまで参考値であり、自分自身の状況に置き換えて試算することが、より実感の持てる老後資金の目安づくりにつながります。

    現在の年齢や貯蓄額、想定する退職年齢、月々の生活費、年金の見込額などを入力するだけで、必要総額や不足額の目安を計算できる老後資金逆算シミュレーターをぜひ活用してみてください。計算の仕組みについては、別記事「老後資金逆算シミュレーターの使い方と計算の仕組み」でも詳しく解説しています。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 老後資金は独身(単身)だといくら必要ですか?
    単身世帯の生活費は夫婦世帯より少ない一方、年金収入も少なくなる傾向があります。総務省の家計調査では高齢単身無職世帯の支出は月15万円前後が一つの目安として紹介されることが多く、年金収入との差額に老後の想定期間を掛けたものが必要額のおおまかな目安になります。実際の金額は生活水準や住居費で変わるため、老後資金逆算シミュレーターで自分の条件を入力して確認するのがおすすめです。

    Q. 夫婦二人ではいくら必要ですか?
    夫婦のみの高齢無職世帯では、家計調査で支出が月25万円前後とされることが多い水準です。年金が夫婦二人分入る一方で支出も大きくなるため、収入と支出の差額と老後の期間から目安を計算します。持ち家か賃貸か、どちらか一方に厚生年金があるかなどで大きく変わります。

    Q. 「老後2,000万円」がないと生活できないのですか?
    2,000万円という数字は、金融庁の報告書で示された特定の世帯モデルの試算にもとづくもので、すべての人に当てはまる金額ではありません。年金額や生活費、保有資産によって必要額は増減するため、あくまで一つの目安として捉え、自分の状況に置き換えて考えることが大切です。

    Q. 年金だけで老後の生活はできますか?
    家計調査では、多くの高齢者世帯で年金などの収入だけでは支出をまかないきれず、貯蓄の取り崩しで補っている傾向が確認できます。ただし不足額は世帯によって差が大きく、支出を抑えれば年金の範囲内に近づけられる場合もあります。まずは自分の年金見込額を「ねんきんネット」などで確認し、生活費と比べてみることが第一歩です。

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    まとめ

    • 高齢者世帯の平均支出は総務省の家計調査で公表されており、単身・夫婦で水準が異なる
    • 「老後2,000万円問題」は金融庁報告書のモデルケースによる試算であり、万人に当てはまる金額ではない
    • 老後の期間は厚生労働省の簡易生命表を参考に、20〜30年程度を見込んでおくと一般的には安心につながりやすい
    • 必要額は年金見込額・生活水準・退職金・資産・医療介護費・就労継続の有無などで大きく変わる
    • 自分の場合の目安は、シミュレーターを使って具体的に試算してみることが望ましい

    出典

    • 総務省「家計調査(家計収支編)」
    • 金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書(2019年)
    • 厚生労働省「簡易生命表」
    • 日本年金機構「ねんきん定期便」「ねんきんネット」

    最終更新日: 2026年7月9日

    本ツール・記事は一般的な目安を提供するものであり、個別の税務・法律・資産運用上の助言ではありません。実際の手続き・判断にあたっては、税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。当サイトの情報の正確性には配慮していますが、制度改正等により内容が最新でない場合があります。