墓じまいの流れと費用相場|離檀料でトラブルにならないために

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結論:墓じまいは「手順」と「お金」の両方を事前に把握しておくことが大切

墓じまいは、既存のお墓を撤去して遺骨を別の場所(永代供養墓・樹木葬・納骨堂など)に移す「改葬」の一連の手続きです。手順そのものは全国どこでもおおむね共通していますが、墓地埋葬法に基づく行政手続きが必要な点、そして離檀料をめぐって菩提寺とのトラブルが起きやすい点は、事前に知っておくと安心につながります。

費用は墓石の大きさや改葬先の種類によって数十万円〜百数十万円程度と幅があり、一概にいくらとは言えません。自分の場合のおおまかな目安を知りたい方は、墓石の状況や改葬先の希望を入力するだけで概算できる墓じまい費用シミュレーターをあわせて利用すると、具体的なイメージがつかみやすくなります。

以下では、厚生労働省が所管する「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」に基づく手続きの流れと、費用相場の考え方、離檀料トラブルを避けるためのポイントを整理します。

墓じまいの基本的な流れ

墓じまいは、大きく分けて「親族との合意形成」「行政手続き」「工事・供養」の3段階で進みます。順番を誤ると、後から手戻りが発生したりトラブルにつながったりすることもあるため、一般的な流れを押さえておきましょう。

1. 親族間での相談・合意形成

まず最初に行うべきは、親族間での話し合いです。お墓は特定の個人の所有物というより、家族・親族が代々関わってきた場所であることが多いため、独断で進めてしまうと後々の親族トラブルにつながりやすいとされています。改葬の理由(遠方で管理が難しい、後継者がいない等)や、遺骨の新しい供養先の希望を共有し、できる範囲で合意を得ておくことが望ましいといえます。

2. 現在の墓地管理者(寺院・霊園)への相談

親族間である程度方向性が固まったら、現在お墓がある寺院や霊園の管理者に墓じまいの意向を伝えます。特に寺院墓地の場合、単なる「土地の使用契約」ではなく、檀家としての関係も含まれていることが多いため、早めに丁寧な相談を行うことが、後述する離檀料トラブルの回避にもつながるとされています。

3. 改葬先(遺骨の新しい供養方法)の決定

遺骨をどこに移すかを決めます。主な選択肢としては、永代供養墓、樹木葬、納骨堂、新しい一般墓、散骨などが挙げられます。それぞれ費用相場や管理の仕組みが異なるため、家族の希望やアクセスのしやすさ、費用面を踏まえて検討することが一般的です。なかでも永代供養墓・樹木葬・納骨堂は近年選ばれることが多く、それぞれの費用相場や選び方の違いは永代供養とは?費用相場と選び方|樹木葬・納骨堂との違いも解説で詳しく整理しています。

4. 改葬許可申請(墓地埋葬法に基づく行政手続き)

改葬先が決まったら、現在お墓がある市区町村役場に「改葬許可申請」を行います。これは厚生労働省が所管する「墓地、埋葬等に関する法律」に基づく手続きで、遺骨を無断で移動させることを防ぐために定められているものです。一般的な必要書類は以下のとおりです。

  • 改葬許可申請書(役所窓口や自治体サイトで入手)
  • 現在の墓地管理者が発行する「埋葬証明書」
  • 改葬先の管理者が発行する「受入証明書(使用許可証)」

書類がそろうと、役所から「改葬許可証」が交付されます。この許可証は、遺骨の取り出しや新しい供養先への納骨の際に必要となるため、大切に保管しておく必要があります。手続きの詳細や必要書類は自治体によって多少異なる場合があるため、事前に各市区町村の窓口で確認することが望ましいとされています。

5. 閉眼供養(魂抜き)

墓石を撤去する前に、僧侶に読経してもらい、お墓に宿るとされる魂を抜く「閉眼供養(閉眼法要)」を行うのが一般的です。地域や宗派によって「魂抜き」「性根抜き」などと呼ばれることもあります。この際、僧侶へのお布施を用意するのが慣例とされています。

6. 墓石の撤去・区画の返還

閉眼供養の後、石材店などの業者が墓石を撤去し、区画を更地に戻して墓地管理者に返還します。墓石の撤去は個人で行うものではなく、専門の石材店に依頼するのが一般的です。墓地によっては指定業者が決まっている場合もあるため、事前に管理者へ確認しておくとよいでしょう。

7. 改葬先への納骨

取り出した遺骨を、改葬許可証とともに新しい供養先に持参し、納骨します。改葬先でも「開眼供養」など別途の儀式が必要になる場合があるため、事前に確認しておくと当日スムーズに進めやすくなります。

墓じまいの流れをおおまかに整理しましたが、実際にかかる費用の総額が気になる方は、墓じまい費用シミュレーターで墓石の広さや改葬先の種類を入力し、目安を確認してみることをおすすめします。

墓じまいの費用相場と内訳

墓じまいにかかる費用は、大きく分けて「墓石撤去・区画整備の費用」「お布施」「離檀料」「行政手続きの費用」「改葬先にかかる費用」の5つに分類できます。それぞれ相場には幅があり、墓地の立地や広さ、改葬先の種類によって大きく変動する点に留意が必要です。

1. 墓石撤去・区画整備の費用

墓石の解体・撤去と、区画を更地に戻す工事にかかる費用です。一般的には1平方メートルあたり数万円台〜十数万円程度が目安とされることが多く、墓石が大きい場合や、重機が入りにくい立地(山間部・急な階段があるなど)では、費用が上振れする傾向があるとされています。

2. 閉眼供養のお布施

閉眼供養を執り行ってもらう際に僧侶に渡すお布施です。金額に明確な決まりはなく、数万円程度を目安とするケースが多いとされていますが、寺院や地域によって考え方が異なるため、直接尋ねるか、菩提寺のある地域の慣習を確認しておくと安心です。

3. 離檀料

寺院墓地から離れる(檀家をやめる)際に、これまでの供養へのお礼として包む場合があるお金です。金額の相場は数万円〜十数万円程度とされることが多いですが、法的に支払いが義務付けられているものではないとされており、寺院側との話し合いによって金額や有無が変わる性質のものです。この点については次の見出しで詳しく解説します。

4. 行政手続きにかかる費用

改葬許可申請そのものの手数料は、無料〜数百円程度の自治体が多いとされていますが、埋葬証明書・受入証明書の発行に手数料がかかる場合もあります。金額は自治体や墓地管理者によって異なるため、申請時に確認するのが確実です。

5. 改葬先の費用

永代供養墓・樹木葬・納骨堂・新しい一般墓など、改葬先の種類によって費用は大きく異なります。一般的には永代供養墓や樹木葬は比較的費用を抑えやすく、新たに一般墓を建てる場合は費用が高くなる傾向があるとされています。改葬先の費用は墓じまい全体の費用の中でも大きな割合を占めることが多いため、複数の選択肢を比較検討することが望ましいといえます。

これらを合計すると、墓じまい全体の費用は数十万円〜百数十万円程度と幅広く、一概に「いくら」とは言えないのが実情です。ご自身のケースに近い条件で概算を確認したい場合は、墓じまい費用シミュレーターを活用してみてください。

離檀料でトラブルにならないためのポイント

墓じまいをめぐるトラブルの中でも特に話題になりやすいのが、寺院との「離檀料」に関するものです。高額な離檀料を提示されたり、寺院側の同意が得られず手続きが進まなかったりするケースが報道等で取り上げられることもあります。トラブルを避けるために、一般的には以下のような点に配慮するとよいとされています。

早めに、丁寧に相談する

墓じまいを決めてから突然「離檀します」と伝えるのではなく、検討段階から早めに寺院へ相談し、事情を丁寧に説明することが望ましいとされています。遠方で通えなくなった、後継者がいないなど、やむを得ない事情を伝えることで、寺院側の理解を得やすくなる場合があります。

離檀料に法的な支払い義務はないとされている点を理解する

離檀料はあくまで慣習的なお礼・気持ちとして渡されるものであり、法律上支払いが義務付けられているものではないとされています。ただし、これまで長年お墓を管理してもらってきた寺院との関係性を踏まえると、一方的に「払わない」と主張するのではなく、感謝の気持ちを込めた対応を心がけることが、円満な解決につながりやすいと考えられます。

感謝の姿勢を持って交渉する

寺院との関係は金銭のやり取りだけで割り切れるものではなく、先祖代々にわたって供養してもらってきた歴史がある場合も少なくありません。金額面での交渉が必要な場合も、これまでの感謝を伝えたうえで、家庭の事情を率直に説明する姿勢が、トラブルを避けるうえで重要とされています。

難航する場合は第三者に相談する

寺院との話し合いがどうしても難航する場合は、石材店や改葬先の相談窓口、行政書士など、墓じまいの実務に詳しい第三者に間に入ってもらうことも選択肢の一つです。トラブルが深刻化する前に、早めに相談することが望ましいといえます。

墓じまいに関するよくある質問(FAQ)

Q. 墓じまいの費用は誰が負担するのが一般的ですか?

法律で負担者が決まっているわけではなく、一般的にはお墓の管理を引き継いでいる方(祭祀承継者)や、墓じまいを主導する方が中心となって負担するケースが多いようです。金額が大きくなりやすいため、着手前に親族間で費用の分担についても話し合っておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。目安を把握したい場合は墓じまい費用シミュレーターで概算を確認しておくと相談がスムーズです。

Q. 離檀料は必ず支払わなければならないのですか?

離檀料は、これまでの供養への感謝として渡すお布施の一種と考えられており、一般に法的な支払い義務があるものではないとされています。ただし、慣習として渡すことが多く、金額の目安も地域や寺院によって幅があります。高額を一方的に請求されるなど折り合いがつかない場合は、感情的に対立せず、第三者(自治体の相談窓口や専門家)に相談することも一つの方法です。

Q. 墓じまいにはどのくらいの期間がかかりますか?

親族との話し合いや改葬先の決定、改葬許可申請などの行政手続きを含めると、数か月程度かかることが一般的な目安です。とくに親族間の合意形成や寺院との相談に時間がかかることがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めると安心です。

Q. 改葬先が決まっていなくても墓じまいの手続きは進められますか?

改葬許可申請には改葬先の管理者が発行する「受入証明書(使用許可証)」が必要となるため、原則として先に改葬先を決めておく必要があります。永代供養墓・樹木葬・納骨堂・散骨など選択肢ごとに費用や仕組みが異なるため、永代供養とは?費用相場と選び方なども参考に、早めに改葬先の方向性を検討しておくとスムーズです。

まとめ

  • 墓じまいは「親族間の相談→墓地管理者への相談→改葬先の決定→改葬許可申請→閉眼供養→墓石撤去→納骨」という流れで進むのが一般的
  • 改葬許可申請は厚生労働省所管の墓地埋葬法に基づく手続きで、市区町村役場への申請が必要
  • 費用は墓石撤去費・お布施・離檀料・行政手続き費用・改葬先費用の合計で、総額は数十万円〜百数十万円程度と幅がある
  • 離檀料に法的な支払い義務はないとされているが、早めの相談と感謝の姿勢がトラブル回避のポイントになる
  • 自分の場合の費用感を知りたい場合は、シミュレーターを使って具体的に試算してみることが望ましい

ご自身のお墓の状況や希望する改葬先を踏まえた費用の目安を確認したい方は、墓じまい費用シミュレーターをぜひ活用してみてください。

出典

  • 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」

最終更新日: 2026年7月9日

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